ヘタレハンター

いのちっていうのは、本当に重くて、鹿でも鳥でも、仕留めるとアドレナリン出て高揚はするけれども、「ああ、私は今、生き物を殺したな」って思うと胸にずーんと来る。

一緒に狩りに行く人に言うと、あんた何言ってんの?と非難されるので、バレないように高揚しながらこっそり落ち込んでいる。

 

さらに去年、飼い猫が死んでからは、ヘタレ度合いがアップした。止め差しが出来なくなったのだ。

もがき苦しんでいる鹿をそのいのちの火が消えるまで眺めている方が、絶対に辛いって頭では理解しているのに撃てないのだ。

 

前シーズンの猟で、親から離れたばかりくらいの子鹿を撃ったとき、後ろ足があらぬ方向に曲がって、内蔵もはみでてて、それでも逃げようともがいている様子を少し涙ぐみながら眺めた。

「だって死ぬなんて思ってなかったんだもの」などという初犯の殺人者の言い訳のような台詞を思い浮かべながら。

 

仕留めて数分後には、どこからともなくカラスや猛禽が頭上をぐるぐるし始める。

するとその子鹿は、頭上の猛禽のぐるぐるしている様子を目で追いはじめたのだ。

 

山の中の、真っ白な雪の中の、私が撃った瀕死の子鹿と、頭上を跳ぶ猛禽。

雪がすべての音を吸収して、何も聴こえなかったはずなのに、とてもざわざわしている感じがした。

 

きっとこのシーンは、ずっと忘れることは出来ないだろうなって思った。

 

子鹿はとても美味しかったけれども、改めて、食べることってこういうことだよなって思った。

生き物を食べるということは、それを殺した瞬間から先の未来の時間ぜんぶ食べるってこと。私は、死の直前に、頭上の猛禽を眺めていた子鹿を食べたのだ。

だから、キミのあるはずだったこの先の時間は、私が代わりに生きるぜってことなのだ。

執筆者 会員 ヘタレハンターS

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春採湖の生き物たち

春採湖は北海道の釧路市にある湖です。石炭を積んだ列車が通る場所でもあります。

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季節の花を観察することもできます。写真は蓮の花です。

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釧路市民はジョギング、ウォーキングをしに、春採湖を訪れる方が多いのではないでしょうか。

私にとっては通勤路で、月曜日から金曜日まで毎朝、春採湖を眺めながら歩いています。たまに、週末も運動を兼ねて歩いています。

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春採湖には、多くの生き物が生息していますが、よく目を凝らさないと見つけられない生き物が多いので、いつか双眼鏡を持って散策することが夢です。

春採湖で一番多く目につく生き物(肉眼で)は、カラスです。それは、それはたくさんいます。春採湖でピクニックでもしようものなら、カラスに凝視されながら食事をしなくてはなりません。

また、朝露に濡れた木の下を歩くと、木を揺らして水滴を落とすというイタズラもされます。でも、毎日お目にかかるので、仲よくしようと努めております。

その他、昨年の秋と、今年の春先にエゾシカが群れで春採湖にいました。

シカの群れがこちらに向かって走って来たときは、びっくりしました。

ある冬の日は、アカゲラが木を突いていました。

私が何年も春採湖を歩いて生命の神秘を感じた日がありました。

あえて写真は使用しないので、想像して下さい。

それは、2017年4月16日、午前10時頃、春採湖を歩いていると、鳥(?)の声がしたのです。それも群れをなす鳥の声です。

でも群れをなす鳥はいません。聞こえてくる方角へ向かうと、声の主はカエルでした。

数えきれないくらいのカエルが、命を振り絞って鳴いています。

そして、何やら入り乱れています。

オスとメスが協力して、どんどん卵を産んでいるのです。卵は泡のようにブクブクと増えていきます。凄まじい勢いです。

まるで合戦のようでした。春採湖の合戦です。

合戦は、40分くらい続いたでしょうか。最後に戦いを終えたカエルは

どこかへ消えて、まるで何事もなかったかのように静寂が訪れました。

散策路の脇にある合戦場所は、卵で覆い尽くされ、キラキラと輝いていました。

皆さんも、春採湖を散策してみてはいかがでしょうか。

見たこともない、生き物の暮しが垣間見えるかもしれません。

執筆者 会員 あやこ

出会いがない…

私の所属する組織は世界自然遺産の地、知床がフィールドである。

博識なTWIN会員の皆様におかれてはご存知の方も少なからずおいでだと思うが、知床は世界自然遺産に登録されるにあたり、IUCN(※1)から「勧告」という形で複数の宿題を突きつけられた。そのひとつが「エゾシカ、減らしたらどうよ?」というものである。

正確にはこういうぞんざいな言い方ではない(し、そもそもオリジナルの勧告文は英語である)が、まあ雑に言うとそういうことだ。「勧告」とは読んで字のごとし、「お勧めを告げますよ」ということだが、実際は「いうこと聞かないと、登録抹消だよ」という、世界遺産は「ありがたいもの」または「誉れあるもの」であることを前提とした「脅し」的な意味合いを持つ。

天敵のひとつであったオオカミがいなくなった、温暖化(のせいかどうか証明はできないけど)で豪雪の冬が減った、などなどの理由でエゾシカが増えすぎ、植生にダメージを与えている、この状態は世界自然遺産にふさわしくないから、改善しなさい、でないとブラックリスト入りですよ、ということだ。

で、知床に着任早々、「これは猟銃がいるな、猟銃があると仕事が10倍楽しいものになりそうだな」と思い、狩猟免状と猟銃所持許可を取得した。概ね10年前のことである。
10年前はよかった…というと年寄りの繰り言みたいだが、減らす事業に着手したばかりだったので、まだシカがたくさんいた。そして彼らの警戒心は薄かった。今は違う。環境省や林野庁の事業などでさんざん捕ったので、シカは減った。残っているシカはさんざんいたぶられて警戒心の強い個体と化した。

今は狩猟期間ではないので、もっぱら有害鳥獣捕獲の枠で鉄砲を担いで野山をめぐる。斜里町のウトロの高台にある農地を、4月から7回ほど巡回しているが、そもそもシカとの出会いがない。男と一緒か…、とため息をつく、いやいやそうじゃなくて。先日、シカを求めて林内を歩いたら、ヌカ蚊(※2)にぼこぼこにされた。目じりも刺された。カユイ、痒い、か~ゆ~い~。…が、ひとつよいことがあった。腫れたので目の周りの小じわが一時的に消えたのだ。あら、いい感じに若返ったじゃないの。この間に都会にナンパに出かけようかしら。って、いやいや、そうじゃなくて。

真面目な話、今後の知床におけるシカ捕獲の課題は、ずばり「とりあえず減らすことには成功した。たけど、ここで手を抜くとすぐ元通りになっちゃうよね。とはいえ、知床にばかりお金はかけられない(環境省や林野庁の事業なら国家予算であるが、当然ながら青天井ではない)から、低コストで今のシカ低密度状態を維持するには、どうしたらよいでしょう…」というもの。

個人的には、ヌカ蚊を減らし、シカには再び増えてほしい。いやいや、ヌカ蚊対策にはちゃんと防虫スプレーを使え、シカ(が撃てない)対策には、研鑽せよ、腕を磨け、という話なんですけどね。

まあ、本来狩猟というのは個人の趣味であり、私のように仕事で使うことが先行しての猟銃所持は、こよなく狩猟を愛する人から見たらその動機自体が不純なのかもしれない。

※1 IUCNとは、国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature)のこと。世界遺産には文化遺産や自然遺産などカテゴリーがあり、登録そのものはユネスコによってなされるが、自然遺産についてはその審査をIUCNが担う。
※2 ヌカ蚊とは、ハエ目・ヌカカ科 に属する昆虫。体長が1ミリから数ミリほどの小型昆虫で、一部の種類のメスは吸血する。(一部Wikipediaから引用)

執筆者 会員 腹減りタヌ

鹿肉のある生活

私は小学3年生の娘がいるハンターなのですが、猟場がごく近いという恵まれた環境にもかかわらず、なかなかハンティングに行く機会がありません…。

子供が小さい頃は、ハンターの夫とともに早朝、寝ている子供をそのままチャイルドシートに乗っけてハンティングに出かけていました。その頃は、ほとんどの時間(銃声にも起きず!)寝ていてくれたのでハンティングを楽しむことができました。

エゾシカ猟のゴールデンタイムは日の出から数時間、日没前数時間。この時間は、家庭では最もバタバタする時間帯です。また、子供が小学生になった今では、車に同乗してもすぐに「ヒマ~~」という始末…。

理由は他にもありますが、最近はなかなかハンティングに行くことができていないのが現状です。

子を持つ女性の皆さんは、どのようにハンティングの機会を作っているのでしょうか?

近年はこんな状況ですが、夫もハンターなので鹿肉に事欠くことはありません。その鹿肉と物々交換したイノシシやカモなど全国のジビエやご近所からいただく新鮮な野菜や魚。「今日の食卓もほぼいただきものだね~。」という会話をよくするほど、我が家の食卓は豊かです。ありがたいです!

そして、夫は料理好きにして料理上手なので、いつもおいしいジビエ料理を作ってくれます。(TWIN会員としては自分で作ります!と言いたいところですが…)ありがたいです!!

3~4日鹿肉を食べない日が続くと「そろそろ鹿肉食べたいね~。」と娘とともに夫にリクエスト。すると手際よくおいしい鹿肉料理を作ってくれます。

その料理を一部ご紹介します。

鹿肉の盛り合わせ(左からハンバーグ・ステーキ・スペアリブ・レバーペースト・ジャーキー)

鹿肉盛り合わせ

鹿肉ぎょうざ 行者にんにく添え

鹿肉ぎょうざ

鹿肉ステーキ 山わさび添え

鹿肉ステーキ

おまけで西興部産マツタケのクリームパスタ
マツタケクリームパスタ

 

 

 

 

 

 

 

我が家の食卓は実に豊かです。これも鹿肉のおかげです。また、私は鹿皮を自分でなめし、クラフトにする活動をしているので、我が家は鹿に生かされていると言っても過言ではありません。シカさんありがとう!!!

今後も鹿の命に感謝しつつ、おいしい鹿肉を食べ、皮を利用していきたいと思います。

執筆者 会員I 主婦

シカの「フォン」

初めまして、猟歴3年の会員Nです。ブログ初投稿です。

シカ骨スープに苦戦していたところ、シェフにシカの「フォン」の作り方を教えていただきました。

材料は、シカすね肉、あばらの肉と骨、玉ねぎ、トマト、セロリ、にんにく、赤ワインなどなど・・・

肉と骨は、オーブンで加熱してから、たっぷりの油で火にかけ、しっかりと水分を飛ばします。

この時点でおいしそうです。

写真①

 

 

 

 

 

 

 

 

別で炒めた野菜と一緒に、更に炒め・・・

 

写真②

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コトコトと煮詰つめる毎に、香りがどんどん変化し、シカ肉の甘味とジューシーな香りが!

「こんな香水がほしい!」と思うくらい、おいしい香りです。

 

写真③

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに煮詰めること3時間・・・3枚のアバラを使用したのに500mlにまで減っていました。

全ての作業が「じっくり丁寧」で手間がかかり、「こりゃーフランス料理はお高いわ!」と改めて気付き、たまに齧ってみては、「やっぱり食べられないな」と思っていた骨が、こんなに素敵な素材になるなんて、シェフは魔法使いだと思いました。

さっそく自宅でフォンを作り、煮詰める作業を実家で行っていたところ、シカ肉食わず嫌いの両親が、「あらいい匂い」と興味を持ちました!

試しにシカシチューにして出してみると、「おいしいねえー」だって!

狩猟を初めて3年目でやっと食べてくれた・・・料理の力ってすごいですね。

シカシチューというよりは「シカ肉じゃが」のようになりましたが、肉もほろほろで美味しくできました。

 

写真④

 

 

 

 

 

 

 

 

これからも、シカを骨の髄まで味わいたいと思います!

執筆者 深川市在住 会員N