狩猟の魅力

みなさん、猟区をご存知でしょうか?現在猟区は全国に約15か所存在し、北海道には占冠村と西興部村にあります。

私は、西興部村猟区の管理者であるNPO法人西興部村猟区管理協会で働いています。(※猟区とは鳥獣保護法に基づき、都道府県知事の許可を受けた管理者が猟区管理規定により運営する猟場のこと。)

西興部村猟区の猟期はエゾシカの場合、9月15日から4月15日までの約7か月間。猟期中は、村外からやってくるハンターの方々を案内するハンティングガイドのアシスタントが私の主な業務になります。ここでの猟は車を走らせながらシカを探す「流し猟」が一般的。ガイドとゲストハンターと一緒に車に乗り、シカの捜索や回収、解体のお手伝いをします。私は、この仕事を通してシカの捕獲から回収、解体の方法を学びました。

ガイド付きハンティングの様子▲ガイド付きハンティングの様子。発砲後、ガイドがシカの状況を確かめています。

一言に「狩猟」と言ってもただ単に鉄砲で撃つだけではなく、解体や料理、革の活用などさまざまな楽しみ方があります。どこに楽しみを感じるかは人それぞれ異なりますが、私の場合、山に入っている時が最も楽しい時間です。

尾根から見下ろした西興部村市街地▲シカの足跡を追って登った尾根から見下ろした西興部市街。シカの足跡を追ってなかったら、こんな絶景も見られなかったかも。

最近は一人で猟に行く際は歩いてシカを探す「忍び猟」を行っています。忍び猟での猟果は1頭というまだまだ経験不足ではありますが、獲物との駆け引きが楽しく、自然との一体感を楽しめます。

さまざまな動物との出会い(エゾリス)▲忍び猟は流し猟と比べるとシカを撃つチャンスは減りますが、さまざまな動物に出会えます。こういう出会いがあると歩いた疲れも吹っ飛びます。

何日間か通った末に獲った一頭▲何日間か通った末にやっと獲れた一頭(写真中央の黒い点が倒れたシカです)。シカに気づかれずに70mほどまで近づくことが出来ました。状況を見て、作戦を練り、それが成功したときはかなりの達成感がありました。この日のビールはおいしかった!

獲った獲物は、もちろんおいしくいただきます。撃った場所から解体をしやすい場所へ大きなソリに載せて運び出します。私の場合、一人で引っ張ることが出来るのはメス成獣まで。オス成獣は重いので撃ちません(個体数管理という点でもオスよりメスですが)。回収時に登り斜面になる場所も撃たないようにしています。しかし想定通りにはいかないもので、スムーズに回収ができる場合もあれば、予想外に時間がかかってしまう場合もあるので、獲ってからのことを考えてなるべく出猟は午前中に済ませるようにしています。

シカを車に載せるのも一苦労…▲シカを車に載せるのも一苦労…でも、この作業を乗り越えればおいしいシカ肉が待っている!

解体作業は自分との闘い。内臓摘出から剥皮、大バラシを手際よく且つ肉を汚さないように丁寧に行います。枝肉はビニール袋に入れて家で抜骨作業を行います。ここまで来てやっと食べられる状態に。

1頭分のシカ肉は、一人暮らしの私にとって一年中食べても食べきれない量になるので、実家に送ったり、友人に分けたりしています。時にはシカがマグロに化けたこともありました。私の住む地域では猟期以外でもシカの有害捕獲の許可が出るため、一年中シカを獲ることが出来ますが、季節や性別・年齢によって肉の特徴が異なるので、その情報も一緒に伝えるように心がけています。どの季節のシカもおいしくいただいています。(いつも上司が作ってくださるおいしいシカ肉料理の恩恵を受けています。ありがたや。)

メスジカのネックを骨つきで煮込む▲2月下旬に獲ったメスジカのネックを骨付きで煮込んだもの

まずはやってみないと楽しさも苦労もわからない。まだハンターデビューしていない方は、西興部村猟区管理協会でエコツアーを企画しているので、参加されてはいかがでしょうか?

会員つぐみ ハンティングガイド補佐

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